この度、歯科用金属積層造型機”EOS M100 Dental”を新たに導入いたしました。
医療認証を得た金属積層造型機(金属3Dプリンター)は、国内では弊社が2社目となります。(投稿日現在 2022.9.17)
弊社では金属3Dプリンターの導入を念頭に、これまで研磨工程効率化のために乾式電解研磨装置”DLyte 100D”を取り入れ、さらにデンチャーフレーム設計をCADソフトへ置換し樹脂3Dプリンターでパターン作成を進めてまいりました。
歯科技工業界は人材不足が深刻化しており、特に地方においてはその進行がより顕著です。
弊社は、歯科技工業務において最も労働負担の高い鋳造・研磨工程を再構築することで技工士の身体的負担を改善し、結果的に歯科技工業界が直面している諸課題を改善する力を金属3Dプリンターは秘めていると考えております。
とはいえ歯科業界ではまだまだ当該技術の知名度は低く、医療認証を得ている金属3Dプリンター、材料となる薬事承認を取得している金属粉末はまだまだ限られている状況です。
▼医療認証を得ている金属3Dプリンター(2022.9.17現在)
・ EOS社(独) EOSINT M270 Dental、EOS M100 Dental、EOS M290 Dental J
・ ㈱松浦機械製作所 LUMEX Avance Dental
EOS社の国内販売代理店は㈱NTTデータザムテクノロジーズ
▼薬事承認を取得している金属粉末(2022.9.17現在)
・EOS社(独) SP2(XSP3として輸入)、MP1
・山陽特殊製鋼㈱ CoCrMo、CoCrMoW
薬事承認を取得している材料は上記コバルトクロム合金粉末4種のみ
金属3Dプリンターで造形されたものには鋳造欠陥が生じることはなく、また高い強度と延性・疲労強度をもっており、患者の使用感向上に貢献します。
さらに工程間中の石膏・シリコン等の廃棄物を大幅に削減することができ、歯科技工の脱炭素化・環境価値向上にもつながります。
技術が正しく理解され広く普及することで、諸課題に悩む地方歯科技工業界を変えていけると信じております。
著者:倉繁竜士
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。