この度、乾式電解研磨装置“DLyte100D”を日本国内で初めて導入致しました。

オーダーメイド品である義歯の金属部品の品質均一化が可能となり、義歯を用いる患者様の装着感向上に貢献します。

また当機の導入により、従来の義歯製作において、最も労働負担の高かった金属部品の研削・研磨工程の一部自動化・工程人員の1名削減を実現しました。

※当機は電解溶液を用いた電解研磨とは全く異なります。

▼導入経緯

日本は歯科技工士の金属研磨技術において、海外に比べ優れていると言っても過言ではありません。

しかし、完全オーダーメイド品である義歯の金属部品の研磨にかかる時間は長時間にわたり、歯科技工業界全体の生産効率を落としている一因となっています。

また、金属研磨では技術者の熟練度が品質に直接現れるため、技工士による品質のムラが生じやすいといえます。

当機では品質の均一化が図れるうえ、研磨物の寸法変異が生じにくいという特性から、従来適合が損なわれるため手を加えられなかった金属部品内面の研磨処理を行う事ができ、患者様の使用感向上に貢献します。

さらに60分程度の短時間で、まとまった数の金属部品を同時に鏡面仕上げすることができ、従来の技工に比べて大きく効率化が達成できる点が導入の決め手となりました。

↑60分研磨した直後の状態

深刻な歯科技工士不足が課題となっている日本国内の技工所には、患者様の満足度・技工所の運営の両面を改善し、課題解決にも直結する非常にマッチした機械といえます。

今後、歯科技工業界にも普及が予想される、金属積層造形機（金属３Dプリンター）による造形物の粗い面の研磨も当機によって容易に行うことができます。

➢GPA INNOVA社　https://www.dlyte.es/dental

➢㈱NTTデータエンジニアリングシステムズ　http://www.nttd-es.co.jp/services/am/dlyte/

文：倉繁竜士